子どもの誤嚥

2017年11月23日 07時00分

 今から10年ほど前のこと。あめを喉に詰まらせ危うく命を落としそうになった経験がある。その朝は風邪気味で喉に違和感があったため、喉あめをなめながら家を出た

 ▼しばらくたったころ、突然のせきで息を吸い込んだ瞬間、それが気管をふさいでしまったのである。ぴったりはまって全く息ができない。その間、随分長く感じたが実際は1分くらいだったろうか。力を振り絞って無理やりせきをし、事なきを得た。あめはだいぶ小さくなっていた。それが気管をふさぐなど思いもしなかったため、警戒もしていなかったのである。消費者庁がおととい公表した、子どもの「小さいおもちゃの誤嚥(ごえん)・窒息事故に注意」の呼び掛けに触れ、当時の記憶がよみがえった次第

 ▼「乳幼児の気道閉塞事故調査」により、直径などが6―20㍉程度の小さな物でも、口に入れると窒息の恐れがあると分かったそうだ。さもありなん。大人であの調子なのだから、飲み吐きの力の弱い子どもならすぐ命の危機に陥ろう。乳幼児は何でも口に入れる。わが子にヒヤリとさせられた人も少なくないはずだ。誤嚥した子どもの保護者に聴いたところ、群を抜いて多かったおもちゃはビー玉とおはじきだったという。ビーズや玩具の弾丸がこれに続く

 ▼クリスマス、正月と、これからの時期は離れていた家族や親族が集まる機会が増える。心待ちしていた再会が一転、悲劇になっては大変だ。子や孫のために事故につながりそうな物を点検し、早めに片付けておいた方がいい。温かく迎えた後は、できるだけ目を離さずに。


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