札幌市都市局は、市営住宅空き室の有効活用策として、2018年4月から厚別区のもみじ台団地の一部住戸を、北星学園大や同短大の学生に提供するモデル事業を始める。学生の自治会活動参加により、高齢化する地域の活性化も期待。12―1月に入居希望の学生を募集する。
市住の入居希望は平均約25倍の高倍率だが、築40年以上の同団地は人気が低く、全5500戸のうち10%が空き家。加えて周辺自治会は高齢化率が全市平均より高く、活動の担い手不足が課題になっていた。
同局では空き室の有効活用と地域コミュニティーの活性化策として、本来は対象外の学生への住戸提供をモデル的に始めることとした。
学生にはJR新札幌駅や地下鉄新さっぽろ駅に近いN団地16―28号棟(計510戸)のうち、4、5階の2DKを、全体で4戸ほど提供する。
月額約1万2000円と低廉な料金で住戸を提供する一方、可能な限り自治会活動への参加を求め、活動の活性化を促す。大学は、学生の募集や指導を担う。
27日、大場里樹都市局長が同大を訪れ、田村信一学長と協定書を交わした。同局では「それぞれにメリットがある」と説明。状況に合わせ提供戸数の拡大を検討するほか、要請があれば、他大学との連携も考えていく。