大谷選手は米エンゼルスに

2017年12月12日 07時00分

 人が一回り大きく成長するためにできることはいろいろある。環境を変えるのもその一つだろう。堀辰雄は短編『燃ゆる頬』で、少年が高校の寄宿舎に入り、たくましい青年に育っていく姿を描いた

 ▼両親が少年の神経質を直そうとしてそうしたのだ。彼は思う。「環境の変化は、私の性格にいちじるしい影響を与えずにはおかなかった。それによって、私の少年時からの脱皮は、気味悪いまでに促されつつあった」。こちらの青年の場合は両親に決められたのではなく、自分の意志で環境を変えるのだから脱皮後の姿も相当大きなものとなるに違いない。元北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が、米大リーグ・エンゼルスに移籍した

 ▼現地時間9日、カリフォルニア州の本拠地スタジアムで入団会見を開いたそうだ。テレビでその様子を目にしたが、背番号17の真っ赤なユニホームに袖を通した大谷選手が別な人のように見えた。ファイターズのユニホームでないことに寂しさを覚えた人も多かったろう。気になるのは「二刀流」。エンゼルスでもその流儀は貫くようだ。ベースボールの本場ゆえ、常識外れとの批判にさらされるかもしれない。ただ、気のいいアメリカ人のこと。成功すれば手放しで喜んでくれるのでないか。もっとも、無理はしてほしくないが

 ▼大谷選手が日本の器に収まらなくなることは、皆分かっていた。だからこの5年、本道に元気をくれたことには感謝あるのみ。あとは脱皮して偉大な選手になるのを応援するだけである。世界の「OHTANI」。その活躍を早く見たい。


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