住んでいる人にとっては当たり前のことだろう。マンションでは窓辺やベランダに鉢植えなどを置かない常識のことである。当方もマンション暮らしで実感したのだが、上から重量のあるものを落として下にいる人を直撃したら大ごとだ
▼鉢植えに限らない。パチンコ玉程度の物でも高層階から落とせば恐ろしい凶器となる。当たり所が悪ければ命も奪いかねない。「間違えましたすいません」では済まないのである。それが上空からヘリコプターの窓だという。幸い命に関わる事故にはならなかったものの、住民らが憤るのも当然だ。沖縄県宜野湾市の普天間第二小グラウンドにおととい、米軍ヘリ「CH53E」の金属製窓が落下した事故のことである
▼窓を落とすこと自体信じ難いが、それが縦横90cmで8㌔弱の重さだったと聞くと背筋が冷たくなる。落下地点から10mしか離れていない場所には4年生の児童がいて、衝撃で飛んできた小石に当たったそうだ。「間違った」では済まない。危ういところだった。基地問題をことさら強調するまでもなく、こんなことは決してあってはならない。子どもの上に鉄の塊が降ってくるなど論外である。普天間基地をすぐには動かせない以上、政府は米軍に対し、飛行ルートや乗員について一切遠慮することなく物申すべきだろう
▼ほぼまとまっていた基地移設計画が鳩山由紀夫首相(当時)の一言で崩れたのが今更ながら悔やまれるが過去を蒸し返してみても実りはない。政府は日米安保が沖縄の犠牲で成り立つものでないことを具体的な行動で示す必要がある。