サイドグリップ式アタッチメントを天野工業が道内で初導入

2018年01月23日 09時00分

 天野工業(本社・札幌)は、橋梁の桁下などの狭い空間でも杭打ちができるフィンランド・MOVAX社のサイドグリップ式アタッチメント「SG―50V」を、道内で初めて導入した。油圧ショベルに装着し、現場の状況に応じて最適な向きで杭をつかんで打設できる。鉄道高架線下や工場内など高さ制限のある現場でも分割杭のジョイントの手間が低減でき、工期短縮につながる。

 MOVAX社が提案する、サイドグリップ方式と最新式の制御システムを備えた油圧ショベル装着型サイドグリップバイブロハンマーによる施工工法「MOVAX工法」は、2014年に日本上陸。普及を目指すMOVAX工法協会には、天野工業を含む全国5社が加盟している。

サイドグリップで杭を直接横からつかみ上げることができる

 同工法の最大の特徴であるサイドグリップは全方向に180度回転して杭の向きを変えられる。先端のエンドクリップで杭の端をつかんで杭天端を所定の高さに収めて打設を完了。5㍍制限下では、最大4㍍の上杭をジョイント施工できる。

 従来は高さ制限のある現場での施工は機械アタッチメントの高さ寸法を考慮した杭長になり、作業揚程5㍍制限下ではブーム上端からアタッチメント下端までの約2・5㍍強が機械寸法とされていた。

 ボルトジョイントや溶接ジョイントでの継杭施工では、最大継杭作業揚程範囲2・5㍍の範囲内で上杭の長さを設定することになるが、サイドグリップ方式での施工だと機械アタッチメント寸法を気にせず下杭の天端寸法だけを考慮して上杭の長さが設定できる。杭の仕様にもよるが、フルブームだと最大約16㍍までの施工が可能だ。

 鋼矢板やH形鋼、鋼管と多彩な杭材に対応。高周波で運転する可変偏心モーメント付きの油圧バイブロシステムとゼロ起動・ゼロ停止機能を搭載し、低騒音・低振動を実現する。

 一般的杭打ち機では1カ所にしかない滑り止めのチャッキングプレートが、サイドグリップの上部と下部の2カ所に配置してあるため、安全性が高い。H形鋼ならフランジをサイドグリップで挟み込んでしまうため、外れても倒れる心配もない。

 天野工業は、鉄道高架下や橋梁耐震化など高さ制限のある現場を請け負う中で、長尺杭の課題解決を目指し、サイドグリップの独自開発を目指していた。しかし、特許を取得していたMOVAX工法が日本に上陸したのを受け、導入を決めた。

 12日、札幌市東区にある同社資材センターでデモンストレーションを実施した。0・8立方㍍級の2段式ショートブームに搭載し、次々と杭を打設。サイドグリップで横から積み上げた杭を地面に垂直に立てて埋め込んでいった。

 H鋼ではグリップを上部にスライドさせて、杭を支えながらつかむ位置を変えていた。みるみる杭が沈んでいく姿を、見学に訪れた鉄鋼メーカーや工事関係者は撮影しながら熱心に見入っていた。

 同社は、需要増加が見込まれる既存構造物の耐震補強などでの活躍を期待し、「割高ではあるが、鋼材を細切れにしなくてよく、溶接箇所も少なくなる。今までより多くの杭を効率よく打設できれば施工サイクルが上る。それによって工期短縮になり、工費との釣り合いも取れるのでは」と話している。


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