きのうの朝日新聞朝刊1面に、雪道を歩く際に注意すべき点が図入りで出ていた。東京都心を含め関東地方が広く大雪に見舞われたからである。内容はこうだ。「ひざを少し曲げ重心を前にし、小さな歩幅で靴の裏全体を地面につけるように」「路面をよく見て、歩き始めに注意」
▼道産子は体で覚えているためこの手の報道を見るとついニヤリとしてしまう。ただ雪道に慣れていない人には笑い事ではないのだろう。道路、鉄道、空港と、交通は予想以上の大混乱だったようだ。何せ都心で積雪が10cmを超えるのは2014年以来約4年ぶりとのこと。これだけ間が開くのでは本道のように行き届いた雪対策をするわけにもいくまい。難しいところである
▼ところでこの大雪に埋もれたのは街だけではなかったらしい。国会の存在感もである。同じ22日に第196通常国会が始まったのだが、新聞やテレビのトップニュースは軒並み大雪で、安倍首相の施政方針演説やそれに対する野党のコメントは後に回された。注目度が低いとはいえ、今の日本に国会議員を雪合戦や泥仕合で遊ばせておけるほど余裕はない。少子高齢化やデフレ、安全保障、基礎的財政収支、地方の疲弊―。待ったなしの懸案が山積している
▼どれもガチガチに凍っているため解決が容易でないものばかり。冷静着実に前へ進める必要がある。そこで国会議員の皆さんに少し注意すべき点をお教えしたい。「小さな歩幅でしっかり地に足を着けた議論を」「国民の期待をよく見て、審議の転倒に注意」。最近の国会はどうも横滑りが目立つ。