日高管内の7町長とJR北海道の西野史尚副社長は7日に浦河町総合文化会館で、災害により2015年から鵡川―様似間が不通となっているJR日高線について意見交換した。町長らは、列車運行区間を日高門別駅まで延ばすとともに、被災していない静内―様似間でも列車運行する方策を提案。将来的には、デュアルモードビークル(DMV)を日高門別―様似間で運用し、日高線の全線開通につなげるべきと主張した。
各町やJRの担当者、山口修二日高振興局長らも同席。非公開で約1時間半にわたり意見を交わした。
終了後、日高町村会長の酒井芳秀新ひだか町長と、日高総合開発期成会長の坂下一幸様似町長が報道陣の取材に応えた。
全町長の一致した意見として、列車運行を日高門別駅まで延ばし、被災を免れた静内―様似間も列車を道路輸送して運行再開するよう提案。西野副社長は、1両当たりの輸送費が700万円に上ると述べたという。また町長らは、新ひだか町静内駒場のレールのみを復旧すれば東部の運行区間を新冠―様似間に延ばせる点も指摘。86億円とされる復旧費用を大幅に抑えられると強調した。
ただし、被災が著しい日高門別―新冠間の列車運行は現実的でないと判断。バス輸送や、数年後に徳島県で実用化見込みのDMVでカバーし、日高線を全線開通させるよう求めた。大狩部駅周辺などの被災箇所は、国土保全や漁業資源保護の観点から、国による抜本的な護岸保全を強く要望している。
近く再び全町長が集まり、今回の意見を書面にまとめてJRへ提出する意向。また今回の提案に基づき、17年3月から休止中の沿線自治体協議会を再開させ、日高線利活用策検討への移行を目指すとしている。