先週、久々に札幌近郊の山歩きを楽しんできたのだが、途中から肩が痛いのには閉口した。歩くうちリュックの重さでベルトが肩に食い込んできたのである
▼肩を取り外してしまいたくなるがそうもいかない。山歩きをする人なら誰しも同じことを考えたことがあろう。しばらく山用リュックを背負っていなかったため肩がやわになっていたとみえる。重いといっても日帰り装備だから、冬とはいえ10㌔程度なのだが。これくらいの重さで弱音を吐いていては小中学生に笑われる。ご存じだろうか。昨今の通学かばんの中身が信じ難いほど重いことを。筆者の子どもたちがその年齢だったのもそう昔のことではないが、気軽くかばんを渡そうとして持ち上げられず、危うくぎっくり腰になりかけたことがある
▼10㌔近くはあったろう。子どもだから余計な物を詰め込んでいるのかと思えばさにあらず。全て勉強道具。そろえるとそれくらいになるのが普通らしい。しかも毎日だ。体に影響の出ない方が不思議である。取り越し苦労でなく、最近は実際に背中や腰を痛めて通院する子どもが増えているそうだ。大人でもつらい10㌔である。体格が小さく通学距離が長ければ通学だけでへとへとのはず。危険が迫ったとき機敏に動けないのも心配だ
▼ゆとり教育の見直しで教科書のページ数が5割ほど増えたのが主な原因という。子どもの健康や安全を願うなら一部の教科書を学校に置くなど柔軟な対応があっていい。もうすぐ新入学の季節。政府は幼児教育無償化と同時に小中学校のかばん軽量化も進めてはどうか。