北大は16日、ロシアの建設関係者らを招き「都市づくり」に関するセミナーを同大で開いた。サハリン州のエンジニアリング会社やアムールスクのプレコン製造会社、サハリン国立大の学生ら14人が参加。北大大学院工学研究院の瀬戸口剛教授が「積雪寒冷都市における公共施設の計画」をテーマに講演。北方型住宅や産業廃棄物、スマート農業なども紹介した。
文部科学省の2017年度「大学の世界展開力強化事業」として実施。道と北海道総合研究調査会(HIT)、北海道ロシアビジネスセンターが協力した。
効率のよいコンパクトな都市インフラを具体化した稚内駅の「キタカラ」は店舗やバスターミナル、映画館、高齢者住宅などを備えた複合施設。旧駅舎は吹雪にさらされるのが課題だったため、風雪シミュレーションによって風を施設の横に流すデザインを採用した。
ガラスのカーテンウォールを採用した開放的なデザインも特徴。熱損失を抑えるようサッシ部分に断熱ピースを入れたほか、結露対策で自動換気も採用している。
札幌市内で実施している集中暖房「スマートグリッドシステム」も紹介。下川町でも同様のシステムを展開する計画だと話した。
そのほか、森太郎空間性能分野准教授が「環境に配慮した北方型住宅」を題して講演。道内の高気密・高断熱住宅の変遷などを紹介した。石井一英環境管理工学分野准教授は「廃棄物処理とエネルギー利用」、農学研究院の鈴木卓生物資源科学分野准教授は「寒冷地適用型温室とスマート農業」で講義した。