働き方改革

2018年02月21日 07時00分

 日本人ビジネスマンの特徴を滑稽に表現したジョークにこんな内容のものがある

 ▼ある人に、社員を猛烈に働かせることで知られる米国企業への出向辞令が下った。出勤すると新しい上司が言う。「あすから週6日、1日12時間ずつ働いてもらいたい」。それを聞いた日本人は驚いて答えた。「はるばる日本から来て、そんなパートタイムの仕事だなんて…」。『世界の日本人ジョーク集』(中公新書)から引いた話。職場に長時間いないと働いた気がしない、というのが高度成長期以来の日本のサラリーマン意識だった。まあ正味どれだけ仕事をしていたかは言わぬが花。ただそれも昔話で、今は労働人口が減って一人当たりの仕事量は多く、いくら働いても仕事に追い付かない人が増えている

 ▼それを改善しようと出てきたのが多様で健康に働ける環境を整える政府の働き方改革。ところがここにきて肝心要の裁量労働制の部分にデータ誤用のあることが分かり、法案の土台が揺らぐ事態に陥っているのである。厚生労働省が一般労働者、裁量労働者それぞれに対し違う形式で実施した調査を安易に組み合わせ、「裁量労働の方が働く時間が短くなることもある」と誤った結論を導いたのである。国会でこの通りに答弁した安倍首相は野党の追及を受け、撤回と謝罪に追い込まれた

 ▼そんなデータはどこにもなかったのだから当然である。厚労省はなぜこんなずさんな分析をしてしまったのか。忙し過ぎて仕事が回っていなかったのかもしれぬ。働き方改革を主導する厚労省がこれではジョークにもならない。


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