▼ことしも第一生命保険のサラリーマン川柳(第29回)優秀100作品が発表になった。全国から寄せられた3万9551句の中から選ばれたそうだ。「本物のビール3本わが爆買い」(ケージー)、「キミだけはオレのものだよマイナンバー」(マイナ)。いつものことながら少々ぼやき混じりの作品には、身につまされたり、思わずにやりとさせられたりする。5月には投票でベスト10が決まるとのこと。
▼サラ川といえば職場風景だろう。「部下の言う『課長やばい』は褒め言葉」(無粋上司)。かなりの高評価だと思って間違いない。「『一言で言えば』の話が一時間」(なでしこ君)、「課長またアレアレ詐欺のような指示」(笑司)。案外と言っている本人は気付いていないものなのである。「何ハラだ?身をふり返りハラハラさ」(背油父さん)。パワーだセクだと神経を使う世の中か。「俺よりも役に立ってる微生物」(釈迦の弟子)。ノーベル賞には勝てないが心中は複雑だ。
▼家の中での夫の存在も悲哀に満ちているようだ。「気を遣い妻を目で追うオレとイヌ」(鉄人82号)。相哀れむ仲だがさて立場はオレとイヌどちらが上か。「じいちゃんが建てても孫はばあちゃんち」(川享)。割り切れぬ思いはありながらも孫に文句を言うわけにいかない。「娘来て『誰もいないの?』オレいるよ」(チャッピー)。今や三界に家なしなのは夫の方かも。ついには「まいにちが修造だけに励まされ」(個々庵)。優秀作100選は、同社HPで楽しむことができる。