▼路傍の雪が消え、随分暖かくなってきたと思っていたらもう4月。きょうから2016年度である。新たな挑戦の1年を前に、かぶとの緒を締め直している人もいよう。ことしも年度初めに当たり、道を照らす至言を紹介したい。前に進む一助になれば幸いである。出光佐三「好況・不況があるからこそ人間が鍛錬され、真の経営者となって、事業の進歩がある」。逆境を嘆くよりも活用しろということか。
▼渋沢栄一「あまりにリスクばかり気にすると決断がつかなくなり、硬直しきって、弱気一辺倒に流れがちになる」。細心と大胆を調和させることこそ。松下幸之助「成功とは、成功するまで続けること。辛抱して根気よく努力を続けているうちに、周囲の情勢も変わって、成功への道がひらけてくる」。自信を持って堂々と歩みたい。宮本武蔵「何時にても、役にたつやうに稽古し、万事に至り、役にたつやうにしゆる事、是兵法の実の道」。いつでも力を出せるよう準備を怠りなく。
▼二宮尊徳「貧者は昨日のために今日勤め、富者は明日のために今日働く」。ドラッカー「問題は、明日何をなすべきかではない。『不確実な明日のために今日何をなすべきか』である」。未来を見ながら今の仕事に取り組む。古今東西の違いはあっても、同様のことを言っているのが興味深い。本田宗一郎「若い人はいいものだ。過去を持たないからいつも前向きの姿勢でいる」。若者こそ未来である。16年度も山あり谷ありだろう。ただ、そこに希望の芽が吹く1年にできるといい。