山菜とヒグマ

2016年04月20日 09時01分

 ▼このところの本道は晴れたり降ったり、寒くなったり暖かくなったりと、忙しい天気だった。春らしいと言ってしまえばそれまでだが、体調を崩した人も少なくないのではないか。札幌管区気象台によれば、あすからは広く高気圧が張り出し、晴れの日も増えてくるらしい。向こう一カ月は晴天の日こそ少ないものの、平均気温は平年より高目に推移するようだ。さあそうなると待ち遠しいのは週末だろう。

 ▼山菜採りの時期である。ウド、ギョウジャニンニク、ワラビ、タケノコ、タラの芽。自然の恵みをまた味わえると思うとうれしい。といっても当方、山歩きはするが採る趣味はない。勝手ながら毎年、知り合いから頂くのを楽しみにしている口だ。愛好家は宝物たる山菜を探し求め、道なき道をものともせず山に分け入るのだから頭が下がる。「山独活のリュックの口にはみ出せり」(吉田清子)の句もある。聞くと、宝庫のような場所を見つけたときなど、愉快で仕方がないという。

 ▼心配なのはヒグマとの遭遇だろう。道環境生活部が平成に入ってから27年間の人身被害をまとめているが、実に67%が春と秋の山菜・キノコ採り時に発生していた。2015年度の目撃件数が過去10年で最高の1200件だったのも気になるところ。ことしは雪解けが早く、既にヒグマも活発に動き始めていると聞く。山の幸が食べごろになる春を待ちかねていたのは何も人間ばかりでない。自然の食卓テーブルは広いのだから、遠慮してヒグマの席に近寄らないようにしたいものだ。


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