倶知安が全国1位

2018年03月30日 07時00分

 この時期になると、家庭菜園が気になってうずうずしている人も多いだろう。良い種や苗が手に入るだろうか、土の状態は―。出来は支度次第なだけに最初が肝心だ

 ▼チェコの作家カレル・チャペックも『園芸家12カ月』(中公文庫)にこう書いている。「未来は芽の姿でわたしたちといっしょにいる。いま、わたしたちといっしょにいないものは、将来もいない。芽が私たちに見えないのは、土の下にあるからだ」。種が健やかに過ごせる環境が土の中にあり、十分に栄養を得られて初めて発芽する。土づくりをおろそかにしては元気な芽など出ないし、未来もほほ笑まないというわけ

 ▼まちづくりも同じでないか。国土交通省が27日発表した公示地価を見て、そんなことを考えさせられた。住宅地と商業地、どちらも上昇率全国1位が倶知安町だったからである。今や押しも押されもせぬ訪日外国人のメッカ、ニセコ地区を擁する本道の一大観光拠点だが、恵まれた自然と運だけでここまで来れたわけではない。ニセコを愛する人々が丹精込めて育ててきた結果なのである。筆者も40年近く前からスキーや登山で訪れているが、そのころから居心地の良い喫茶店や民宿が幾つもあった。当時決して条件は良くなかったはず。それでも「土作り」を始めている人はいたのである

 ▼この滋養豊かな土があったからこそオーストラリア人ら訪日外国人も芽を出すことができたのだろう。未来にこれだけ大きな実を付ける営みが過去あった事実を知ると、地域にほれ込む人がいることの大切さを思わずにはいられない。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • オノデラ
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,411)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,289)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,244)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,140)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (810)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。