▼ことしも4月20日から本紙3面「はばたけわこうど」で、建設業界に飛び込んできた若者たち18人を紹介した。まだ読んでいなければ、ぜひ目を通していただきたい。どの栄養ドリンクより元気が出ること間違いない。佐藤香純さん「早く現場に出たくてわくわくしてます」、浜田啓太さん「選んで良かったと思える人生を目指し、前へ」、佐藤健児さん「覚悟して選んだ道」。目は真っすぐ前を見ている。
▼皆、目標もしっかりと持っているようだ。塩島由妃さん「歴史に残るような大きな工事を担当したい」、島岡崚太さん「重要なインフラである道路を支えたい」、中屋秀平さん「地元に貢献する」。頼もしい限りである。希望に燃える若者たちの存在はうれしいものだ。一方で先日、気になる報に触れた。本紙21日付に載った日本建設産業職員労働組合協議会のアンケート結果である。45%の人が「建設業に魅力を感じない」と回答したという。長時間労働や低賃金がその理由らしい。
▼若い世代ほど転職を考える傾向にあるというから事態は深刻だ。若者の熱い想いに応え切れていないということか。経営者らも頭を抱えていよう。もっとも、業界だけの責任でない。生活を支えるインフラの維持や災害時の対応で地域を守る建設業の重要さが、いまだ社会に十分理解されていない問題も大きいだろう。入社前、業界について調べた島崎涼太朗さんはこう考えたそう。「自分が入ることで、少しでも状況が変われば」。若者の夢を、夢だけに終わらせていいわけがない。