ふるさと

2018年04月20日 07時00分

 最近あったことは忘れても、幼いころに覚えた歌は幾つになっても忘れない。多くの人が実感していることだろう。童謡がいい例である。歌詞を見れば不思議と自然に頭の中でメロディーが流れ出す

 ▼「故郷(ふるさと)」はその最たる例ではないか。以下は2番の歌詞なのだが、わざわざ思い出す努力もいらないはず。「いかにいます/父母/つつがなしや/友がき/雨に風に/つけても/思い出ずる/ふるさと」。北朝鮮拉致被害者たちも他人には聞かれぬよう注意しながらも、折に触れ静かに口ずさんでいるかもしれない。どれだけ帰国を切望し、助けを待ちかねていることだろう。今度の動きが被害者救出の決定打になるといいのだが

 ▼米フロリダ州パームビーチで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談。首相が席上、早ければ来月開かれる米朝首脳会談で日本人拉致問題を取り上げるよう求めたのに対し、大統領が提起を確約したのである。事有るごとに拉致の非人道性を訴え続けた成果が出た。北朝鮮の真意はいまだ見えないものの、金正恩委員長が表面上、こわもてから穏健へと対外姿勢を変えているのは確かなようだ。ならば日米同盟の強い連携を生かし、このチャンスに賭けてみない手はない

 ▼北朝鮮に捕らわれている被害者本人たちも歳を重ね、日本で待つ家族らも既にかなりの高齢だ。時間はほとんど残されていないのである。拉致被害者全員が無事日本に帰り、誰はばかることなく大きな声で「山はあおき/ふるさと/水は清き/ふるさと」と歌える日が一日も早く来るといい。


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