花見

2018年04月23日 07時00分

 気持ちの良い日が続く。少し前まで寒さに震えていたのがうそのような暖かさである。風も肌を刺す冷たさは既になく、どこかふんわりと柔らかい。「春の風顔いっぱいに吹く日かな」成田千空。そうそう、春にうつむき加減は似合わない

 ▼こんなうららかな日には仕事なんかやめて昼間からお酒でも飲んでいたい―、と恨めしげに空を見上げているご仁もいよう。安心してほしい。本道もそろそろ花見の季節である。どうやら急いで仲間に連絡し、ジンギスカン鍋とビールの手配をする必要がありそうだ。日本気象協会の北海道桜開花予想によると、今週早々の松前町上陸を皮切りに、各地とも平年より5日前後早く開花するらしい。今月が函館26日、札幌28日、帯広29日、旭川30日。5月に入り網走5日、稚内9日、釧路13日と桜前線は動いていく

 ▼「身じろげばこぼれむとするさくらかな」轡田進。満開の桜には見る者の目をくぎ付けにする華やかさがある。開花からおよそ4、5日でその日を迎えるという。詩人高橋順子さんのエッセイ『うたはめぐる』(文藝春秋)で、花見に触れたこんな一文を面白く読んだ。「どんなに仕事が忙しくても、不思議なことに花見の予定はちゃんと入ってくる。仕事は待っていてくれることもあるが、花はそういうわけにもいかないので」

 ▼言われてみれば確かにその通り。日々変わる開花予想にやきもきしながら、人間の方が万障繰り合わせて「桜様」に予定を合わせているのである。もっともお酒が入ってしまうと途端に桜のことなど見えなくなってしまうのだが。


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