サッポロビール(本社・東京、高島英也社長)は、北斗市内にワイン醸造用のブドウを栽培する自社農園を設ける。丘陵の農地25・4haを賃借し、6月にも整地を開始。2019年4月から苗木を植え付け、21年の初収穫・仕込みを経て、22年に北斗産ブドウから醸造したワインを発売する見通しだ。成木後の予定収穫量は1万ケース相当を見込む。
同社は、国産ブドウ100%の自社ブランド「グランポレール」を製造・販売。国産ワインへの注目が高まる中、ワイン事業をビールに次ぐ柱に据え、生産基盤強化を図っている。
北斗市三ツ石に設ける自社農園は3カ所目となる。メルローやシャルドネなどの品種を中心としつつ、新たな品種にも挑戦し、日本ワインの可能性を広げる考え。社員1人以上が常駐するため管理事務所を新設する。
8年後の26年は同社にとって150周年の節目とともに、ワイン事業創設50周年でもある。グランポレールの販売目標を現在の約3倍となる10万ケースに掲げる。
降雨量・土壌などの諸条件がブドウの生育に最適と判断。さらに広大な土地で、労働力の確保が比較的容易だったこと、市の全面的なバックアップを得られたことも大きいという。
渡島地域ではフランスの老舗ワイナリー、ドメーヌ・ド・モンティーユが函館市内に農地を取得し、今後苗木を植える見通し。はこだてわいん(本社・七飯)も町内の1・7haで本格栽培する。冷涼で雪が少ない気候がブドウ栽培への投資を後押ししている。