縄張り意識

2016年08月06日 09時50分

 ▼ムツゴロウさんの愛称で知られる動物研究家の畑正憲氏は、著書『自然界の建築家たち』(ミサワホーム総合研究所)で、カモメの縄張り争いに触れている。「ナワバリを守ることによって、オスはいよいよオスらしくなってくる。一家の主人として、それから長く続く闘いに耐えていく自覚が生じているかのよう」。攻撃はかなり激しいらしい。読んでいてカモメでなく北朝鮮の金正恩氏が思い浮かんだ。

 ▼氏も必死になって力を誇示し、周りを脅し続けなければ、縄張りというべき自らの権力基盤を保てないと考えているのでないか。3日にも日本海に向け「ノドン」とみられる弾道ミサイルを撃ち込んだ。弾頭が着水したのは日本の排他的経済水域内だったという。ミサイル発射はことしに入って急に回数が増え、何やら切迫したものさえ感じる。縄張りが危険にさらされているとの恐れが募っているのだろう。国際社会の包囲網もさることながら、政権内の暗闘も激烈なのではないか。

 ▼ともあれ強引に進める核兵器開発とも相まって、周辺国の安全が脅かされているのは確かなこと。日本ではきょう6日の広島、9日の長崎と原爆慰霊の日が続く。毎年この日を機に多くの人が核兵器なき世界の実現を願うが、そんな日本のすぐ隣に、時代に逆行して核兵器保有に突き進む国が出現するとは皮肉なものだ。しかも自国民の幸せは顧みず、共産主義の名の下に恐怖政治を敷く国である。やれやれ、カモメでもあるまいに、知恵で勝負すればいいものをいつまでも武力とは。


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