何とむごたらしく、卑劣な犯行であることか。新潟市立小針小に通う2年生の大桃珠生さんが絞殺された上、JR越後線の線路に遺棄され電車にひかれた事件のことである。7日に発生した
▼身近な子どもを想像して、いたたまれない気持ちになった人も多かろう。残念ながらいまだ捕まっていないが、犯人に対しては憤りを禁じ得ない。常軌を逸している。人の大切な命、尊厳をここまで徹底して踏みにじれるとは。珠生さんは下校途中に行方が分からなくなった。報道によると学校を出たのが午後3時過ぎ。途中で一緒に帰っていた友達と別れ、踏切を渡ったところまでは目撃されているがそこから先の足取りがつかめない。その間、自宅まで200m程度。線路に沿って住宅街が続く直線の通学路だったそう
▼犯人は珠生さんが一人になるわずかな隙を狙ってどこかに潜んでいたに違いない。関係があるかは分からないが、珠生さんはその日の登校時にも不審な男に追い掛けられたと友達に話していたという。小学生が通学途中に犯罪の犠牲となる例が後を絶たない。よこしまな人物にとって人目に付かない場所を事前に把握でき、子どもの行動時間も読める通学路は逆に狙い目なのかもしれぬ
▼安全なはずの通学路が犯罪者に利用されるなど考えたくもないが、子どもを守るためには厳しい現実に向き合う必要があろう。集団下校、見守り、地域の協力、防犯カメラ。既に取り組んでいるからと安心せず不断に見直したい。しかし今はまず、珠生さんを苦しめた憎むべき犯人を一刻も早く捕まえることだ。