インタビュー/北海道建設部長 岡田恭一氏

2018年05月16日 17時00分

 4月1日付で道建設部長に就任した岡田恭一氏は、北海道建設記者会の共同インタビューに応え、建設行政の執行方針を語った。道内建設産業が持続的発展を遂げるため、就業環境改善に資する施策を展開して担い手不足という難題に挑む。ハードとソフトを効果的に組み合わせながら防災・減災推進に力を注ぐほか、北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP)構想など大型プロジェクトの成功を目指して、総力を挙げて取り組んでいく意向を表明した。

■建設就業環境改善へ週休2日

 岡田部長は「食や観光など北海道ブランドが確実に浸透する中で、道民生活を支える建設業の担い手不足が課題になっている」と指摘。課題改善のためにも「経済、社会活動に資する社会資本整備を着実に進めたい」と述べた。加えて災害対策を重要視。ハード整備とともに、危機管理型水位計設置や土砂災害警戒区域の指定拡大など住民避難を考慮したソフト対策を併せて推進する考えで「ほかの部局で仕事をしてきた経験や人脈を生かしたい」と、就任の抱負を語った。

 建設産業の担い手確保・育成に関しては、3月策定の「北海道建設産業支援プラン2018」に沿って、週休2日制導入などによる就業環境改善やICT利活用での生産性向上に力を入れる。18年度は新たに高校生らを対象としたICT体験講習会や、担い手育成方法の習得を目的とした企業向け研修会も試みる。これら施策を通じ「プランの基本方針である、地域の安全安心に欠かせない建設産業の持続的発展の実現につなげたい」と意欲を見せた。

 16年の台風災害などを振り返り「社会全体で洪水への意識を高めなければならない」と強調した。各地域に設置した防災対策協議会で洪水被害軽減に向けた施設整備、水位情報提供や避難を視野に入れた地域の取り組み方針を、ことしの出水期をめどに取りまとめる予定になっていることを挙げ、「毎年フォローアップしながら、防災・減災の取り組みを継続的に進めたい」とした。

 関連して、大きな被害をもたらした佐幌川の治水対策では「既存施設を有効活用する佐幌ダム再生事業が、対策に要する期間が短い上に経済的、効果的であろう」と考えを示し、再生計画策定や大規模公共事業の事前評価など経て19年度の新規事業着手を目指す。

■日ハムBP 総力支援

 日本ハムのBP構想支援では、道のプロジェクトチームでサブリーダーを務める。北広島市からは交通アクセスの向上、都市計画手続きと公園整備での支援が求められていることに対して、「提示された開業までの短い間に何ができるのか。要望以外でも有効な手段がないのかを含めて検討する」と説明。方向性を示すにはまだ時間を要するとしながら、プロジェクト実現へ「スピード感を持って対応する」と意気込む。

 年間来場者100万人を目標に白老町で整備中の民族共生象徴空間では、アクセス改善を目的とした道路整備を推進する。具体的には白老大滝線拡幅や歩道設置、JR白老駅に大型バスが乗り入れ可能な駅前広場整備などで、北海道開発局や白老町の他事業と連携しながら取り組む考え。また、「白老エリアに入ると象徴空間が近いというムードが醸し出せるようなアイデアや工夫も何か考えたい」と意欲的だ。

 「高度経済成長期に集中整備された施設が更新時期を迎えている」と危機感を示す。15年6月策定の北海道インフラ長寿命化計画に基づき個別施設計画を策定していて、18年度は砂防や海岸施設を予定。「各施設の特性に応じて点検、診断、補修、更新のメンテナンスサイクルを構築し、優先順位を付けながら、トータルコスト削減と平準化を目指したい」と対応方針を示した。

 また、北の住まいるタウン事業で、18年度は普及啓発に力を入れる。「取り組みが進むことで、さまざまな地域課題に対して地域の特性を生かした解決法により、自立的で持続可能、誰もが安心して豊かに住み続けられるまちづくりを期待する」と述べた。

■効果的な防災対策推進

 北海道命名150年の節目。「先人の技術者たちは積雪寒冷の広大な大地を相手に、港を造り、鉄道や道路を造り、氾濫する自然河川を改修して、荒れ地を農地に変えて、私たちが誇る北海道をつくり上げた」と偉業に敬意を表する。着任に当たり職員には「事業は単年度予算も大事だが、先人が思いをはせたように自分の子どもや孫世代に、いかに良い社会資本を残すかということを意識して仕事をしてほしい」と求めた。

 「建設業は人がいれば必ず必要とされる仕事。災害時には道民の安全安心を担っていると言っても過言ではない。取り巻く環境は決して楽観視できないが、全力を挙げて建設業振興に取り組みたい」と決意する。

 岡田 恭一(おかだ・きょういち)1959年3月16日生まれ、59歳。82年に北大工学部を卒業し、道庁入り。総合政策部政策基盤担当局長、建設部技監、東京事務所長、人事委員会事務局長を歴任し、現職に。

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