米国の映画などで昔からよく見掛けるこんな場面に覚えのある人も多いだろう。一人の女性が「最近、友達が皆よそよそしい。私、何か嫌われるようなことをしたのかしら」と悩み始める
▼そんなある日、寂しい気持ちで家路をたどり、玄関を開けると…、飾り付けた部屋に友達が皆集まっていて「サプラーイズ!」。最近は日本でも楽しまれているようだが、誕生日を祝う「びっくりパーティー」だったというわけ。今、米国や日本には、そんな想像もしていなかった出来事にびっくりしたり喜んだり忙しい人がたくさんいるのではないか。株価の高値が続いているのである
▼今月8日の米大統領選の前までは、ドナルド・トランプ氏が当選すれば株価は暴落するとの予想ばかり聞こえていた。ところがダウ平均株価は22日のニューヨーク株式市場で1万9023㌦と、終値としては初めて1万9000㌦を超え、最高値を更新したという。きのうの日経平均株価も、終値が1万8333円となり、6日続伸した。さらに円も、24日午後5時現在で1㌦113円と、かなり円安に振れている。トランプ次期大統領の経済政策への期待というが、事前の評判を考えると不思議というほかない
▼つまり、「サプライズ」など全く知らないふりをして、裏ではこっそりパーティーの準備にいそしんでいた金融・財界関係者も大勢いたということだろう。まあ、手の内を知られないようにするのがトランプ遊びの鉄則で、円安株高は日本にとって好材料とはいえ、まんまとだまされたようで何やらふに落ちない。