厩舎廃材など再利用、浦河のゲストハウスが話題に

2018年06月07日 13時00分

 地域の廃材を再利用し宿泊施設に―。ことし1月に開業した浦河町にあるゲストハウス「MASAGO」が話題を呼んでいる。かつてのサウナや家族風呂を地元建築業界の若手有志でつくる「URAKAWA・YAMORI」らの力も借り、開業。木製パレット、鮭箱、馬の厩舎(きゅうしゃ)の廃材などをリユースして仕上げた内装が特徴的だ。

 MASAGOの経営を担う有限会社まさごは、1954年に浦河町で事業を開始。銭湯やサウナなどの浴場を運営し、長年町民に親しまれてきた。96年に建物を整備するに当たり、ギョーザやラーメンを提供する飲食事業の経営など、新事業にも参入している。

 大久保直幸社長は先代から事業承継の際、サウナは今後成長産業ではないと判断。「これらの空間で何かやろう」と一念発起。1階の銭湯とラーメン屋などは残し、家族風呂やサウナなどの2階部分を、ゲストハウスへ改装する決断をした。

 中小企業庁が所管し、地域経済の活性化を目的とした「創業・事業承継支援事業」の補助金の対象として応募したところ、道内で唯一採択。これらの補助などを元手に3カ月ほどでリノベーション。大久保社長は「皆の協力で一つの形に仕上がった。感謝したい」と振り返る。

サウナを改装したゲストハウスMASAGO。廃材をリユースした

 内部にはドミトリールームと呼ばれる男女別の相部屋のほか、夫婦や家族で滞在できる個室のシングル・ダブルルームやファミリールームも設置。最大30人が宿泊でき、長期滞在が可能。浦河の移住体験者を受け入れた。宿泊者は、1階部分の銭湯に無料で入ることができる。

 大久保社長は浦河について「食べ物はおいしく、自然も豊か。夏は涼しく冬は雪が少ない」と魅力を説明。「開業半年で知名度はまだ低いが、学生やバイクでの旅行者など多くの人が来てくれている。地域の滞在拠点として使ってもらえれば」と話している。(苫小牧)


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