高度経済成長の余韻残る1970年代中盤に子ども時代を過ごした男性なら、『ゲッターロボ』(フジテレビ系)というテレビアニメを覚えている人も多いだろう
▼永井豪、石川賢両氏の原作によるロボットアニメだが、それまでの作品とは一線を画していた。合体変形ロボットものの先駆けだったのである。個性の違う3人の高校生がそれぞれ飛行マシンを操り、合体して一つのロボットとなり強大な敵と戦うのだ。たかがアニメと笑うなかれ。ゲッターロボには今でいうコラボレーション(協働)をほうふつとさせるものがあったのだ。3台のマシンは組み替えることで陸はもちろん空や海での活動にも対応。3人が持ち味を生かし、状況に合わせて力を最大限発揮できるシステムが構築されていたのである
▼帯広畜大と小樽商大、北見工大の3国立大学が先月末、運営法人の統合を目指すと発表したのを聞きそれを思い出した。運営は一つにして最適化を図り、各大学の個性は伸ばしていく狙いがあるという。統合予定は22年の4月。経営機能や業務を合理化することによって創出した予算を教育や研究に重点配分するらしい。背景には少子化による学生の減少や国からの交付金減額がある。そんな現実と戦うには大学の魅力を高めて学生を増やし、自力を付けるしか選択肢は残されていなかったわけだ
▼とはいえ専門の異なる農商工の単科大、その学部学科が縦横にコラボするようになれば新しい展開も生まれよう。難敵に負けず北海道を救うヒーローになってくれるならこんなに素晴らしいことはない。