12日の米朝首脳会談

2018年06月09日 07時00分

 国民の期待を一身に背負いながら任期途中で非業の死を遂げた米国の第35代大統領ジョン・F・ケネディは、今も国内で根強い人気を誇るという。40代と若く、短い在任期間だったにもかかわらず、キューバ危機を回避するなど優れた政治手腕を発揮したからだろう

 ▼ベトナム戦争に対する煮え切らない態度には批判があったとはいえ、テキサス州のダラスで凶弾に倒れなければ、一体どれほどの業績を残せたことか。ケネディ氏を評価するとき、よく語られるのが問題解決能力の高さ。大学の卒業式で行ったこんな演説もそれを裏付けている。「われわれの抱える問題は人間がつくり出したものだ。だから人間で解決できる。人間の理性と情熱はしばしば不可能と思える問題も解決してきた。これからもそうだと信じる」

 ▼そこから10代下った第45代のドナルド・J・トランプ大統領も、その信念を受け継いでいるだろうか。それが試される米朝首脳会談がどうやら今度こそ、12日に開催されることになりそうだ。関係国はそれぞれ思惑を秘めて慌ただしい。まさに「風雲急を告げる」展開である。安倍首相も7日、急きょ米国に飛びトランプ氏と意見をすり合わせた。北朝鮮が既に終わった事と声を強める中、会談で拉致問題を取り上げるよう念を押す必要があったからだ

 ▼心配なのはトランプ外交に問題解決能力より問題混乱能力の方が目立つこと。目先の利にとらわれ安易に制裁緩和や平和条約に飛びつくなら大きな禍根を残す。そうなればケネディ氏とはまた別の評価で後の世に名を残すことになろう。


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