日本遺産に認定された「カムイと共に生きる上川アイヌ―大雪山のふところに伝承される神々の世界―」を申請した2市10町と関係14団体は21日、日本遺産推進協議会を設立した。会長には佐藤芳治上川町長が就き、新たなブランドを地域振興へ積極的に活用する姿勢を示した。上川町のかみんぐホールで開かれた設立総会では、2018年度事業計画案も承認し、住民向けシンポジウムを3回開催することや構成文化財を紹介する案内板の設置などを決めた。
大雪山をまたぐ上川・十勝管内の自治体2市10町は、大雪山の自然と、そこに根付くアイヌの生活・文化・伝承をテーマに日本遺産認定に取り組み、5月24日に道内3件目として認定を受けた。
認定内容を整備・活用して国内外に発信し地域活性化を図ることを目的に、申請自治体と各市町の観光協会、大雪カムイミンタラDMO、大雪山ツアーズが構成員となり協議会を設立した。
会長には佐藤上川町長、副会長には西川将人旭川市長、竹中貢上士幌町長、浜辺啓ひがしかわ観光協会代表理事が就任。事業計画案には、認定ストーリーや構成文化財を紹介するポータルサイト作成やガイド養成、シンポジウム開催、観光モデルコース作成、点在する構成文化財を案内する説明看板設置などを盛り込んだ。
佐藤会長は「まず3年がめどとなる。活動初期はいかに圏域全体の共通課題として日本遺産のブランドと地域の持つ価値を合わせ情報発信し、有効活用するかに集中していく」と話し、認定をさらなる上川・十勝圏域発展のきっかけにする意志を表明した。