既に新聞やテレビで幾つかの句に触れ、くすりと笑わされた人もいるのではないか。ことしも第一生命保険のサラリーマン川柳(第30回)傑作100選が決まった
▼「会議する準備のためにまた会議」(詠人知らず)、「守ろうと誓った嫁から身を守る」(恐妻家)。そうそう、と思わずうなずいてしまう句ばかり。今回は全国から5万5067もの作品が寄せられたらしい。ベスト10を決める投票も始まったそうだ。ことしは上司を題材にした句が目に付く。そろそろ新人を迎える時期である。参考にしたい。「生産性部長の異動で急上昇」(カクト)。胸に手を当ててみた方がいいかも。「神ってる全て裏目を出す上司」(いいだやカネタロウ)。本人はリーダーシップを発揮しているつもりなのだろうが…
▼「『塩』課長上司にゃいつも『神』対応」(惣兵衛)。しっかり見られてますよ。「見て学べ?どうりで部下が育たない」(ヒロシこの夜)。問題は時代なのか上司なのか部下なのか、何とも悩ましい。サラ川といえば家での立場も定番である。「『パパお風呂』入れじゃなくて掃除しろ」(家内関白)。今や一番風呂でさえなく残り湯。「けんかした家にもほしい地下空間」(カマキリ)。妻の怒りは地下にまで染み出しそう。「孫が来たポケモンいない孫帰る」(りゅうちゃん)。会社では上役だったのに家ではポケモン以下
▼でも実はこんな幸せなことだって少なくないはず。「『パパすきよ』娘にもらった金メダル」(三姉妹パパ)。傑作100選全作品は同社HPで見ることができる。