本道が時ならぬ大雨に見舞われている。きのうまでの雨で石狩川や雨竜川などが氾濫して一部住宅地が浸水。各地で法面崩壊や路肩決壊も相次いだ。水田や畑の浸水も広範囲に及んでいる
▼うんざりしている人も多かろう。おととし8月のひどい台風被害の記憶もまだ消えぬうちである。居座る停滞前線の仕業だが、きょうは台風7号崩れの温帯低気圧が本道に近付き大雨に一層の拍車を掛けるという。油断できない。7月にこんな降り方をするのも珍しい。思えば先月も随分と雨が多かった。札幌管区気象台によると札幌で平年の3倍、函館で1・9倍、旭川で2倍の降水量を記録している。ことしは雨の当たり年なのかもしれない。天の恵みとはいえ、お手柔らかに願いたいものだ
▼本道のことはもちろん心配である。ただ、多くの人は今、その「大雨降るな」の願いをタイ北部の町にも向けているのではないか。13人の少年らが遭難しているタムルアン洞窟から脱出するには雨が最大の障害になるからである。行方不明から10日余り。大雨による増水でふさがれた洞窟での生存はほぼ絶望視されていた。それが全員無事だったのである。こんなうれしいことはない。すぐにも助けたいがそう簡単ではないようだ
▼少年らがいる地点まで約4・7㌔。所々で水が行く手を阻む。洞窟救助専門のダイバーがやっと抜けた箇所を、練習するとはいえ少年らが通れるか。さらに大雨が来れば避難場所がなくなる可能性もある。悩ましい雨だ。少年と捜索隊が頑張っている間だけでも降らずにいてくれればいいのだが。