米国の時事解説誌USニューズ&ワールド・レポートが先日、「2017ベスト・カントリーズ」を発表した。どこの国が最も優れているのか、さまざまな観点から分析し順位付けしたものである
▼日本は80カ国中、5位だったそうだ。一番の評価項目が起業家精神なのは意外だったが、指標を見て納得した。万全のインフラを備え、世界との交流も盛ん。教育程度が高く革新的技術も豊富。抜群の環境があるわけだ。上位は1位からスイス、カナダ、英国、ドイツときて、日本以下スウェーデン、米国、オーストラリア、フランス、ノルウェーと続く。経済力も重要な指標ではあるが、お分かりの通りそこに偏ってはいない。ベスト3を見ると、スイスは市民意識と充実した仕事環境、カナダは生活の質、英国は同盟関係を背景とした国際的影響力がそれぞれ高く評価されている
▼ちなみにお隣の国々はといえば、中国20位、韓国23位、ロシア27位。自由や公平性が社会に根付いているかどうかで差が出るらしい。経済は依然ぱっとせず、政治はごたごた続き。目を覆いたくなるような事件も相次ぐ。ニュースをただ聞いていると日本は救いようのない国に思えてくるが、実は他国からの信頼も厚く、可能性に満ちた国なのである。「ベスト・カントリーズ」が示すのはそういうことだ
▼きょうは多くの小学校で卒業式が予定されている。巣立ちの日を迎え、子どもたちの目は希望に輝いていよう。彼らは「ベスト・カントリー」の継承者である。大人が悲観的な側面ばかり見せて輝きを失わせてはいけない。