「宗谷ひと図鑑」という小冊子をご存じだろうか。宗谷地方の高校生が若者ならではのみずみずしい視点で地元の人々をインタビューし、その魅力を紹介する写真誌である
▼ことし1月に第2号が出たばかり。2015年11月に第1号を発行している。筆者も最近知り、宗谷総合振興局地域資源活用推進室に送っていただいた。この内容が素晴らしい。宗谷をわが都と定め、頑張る人の姿を実に生き生きと伝えている。管内人口減少に歯止めをかける「SOYA移住・定住促進事業」の一環として実施しているとのこと。2号「継続は力なり」では浜頓別と枝幸両高の生徒が手分けして取材している。固いことはさておき肝心の中身に触れたい
▼チーム「ふるくら!!」は、札幌出身だが「スーツを着て仕事するのは得意じゃなかった」ため枝幸で漁師になった男性から話を聴いている。チーム「白鳥豚」は林業会社の社長に、「自分達が守り続けてきた山を若い人達にも守り続けていってほしい」との夢を託された。一方、1号「島を愛す」では利尻と礼文両高の生徒が取材を担当。チーム「りっぷ」は利尻島で食堂を営む91歳(当時)の女性から島で生きてきた歴史を学んだ。チーム「アツモリ」は礼文島が気に入って移住した米国人男性に、地元の人が見落としがちな島の良さを教わっていた
▼まだまだ多くの人が登場している。機会があればぜひ実際に手に取って見てほしい。2号の巻頭の詩で吉田紫音さん(浜頓別高2年)もこう呼び掛けていた。「平凡にこそ隠れる魅力、あなたにも見てほしい」。