日欧EPAに署名

2018年07月19日 07時00分

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」を支持する米国のノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンは、2013年の著書『そして日本経済が世界の希望になる』(PHP新書)でこう提言していた

 ▼「いまこそ世界は日本を必要としている。アメリカ、ヨーロッパ、日本という民主主義国には共通の利害があり、よくコミュニケーションをとって協力し合い、必要なときにはお互いから謙虚に学ばなければならない」。どうやら意外と早く、クルーグマン氏の待ち望んでいた「必要なとき」が訪れたらしい。ただし欧州とだけではあるが…。安倍首相と欧州連合(EU)のトゥスク欧州理事会常任議長らが17日、首相官邸で日本とEUの経済連携協定(EPA)に署名した

 ▼発効すると人・物・金を関税などの障壁なくやり取りできるようになる。その経済規模はとてつもなく大きい。世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める自由貿易圏が新たに生まれるのである。世界経済の主導権争いは構図が一変しよう。表立っての反応はまだないが、クルーグマン氏の提言とは真逆の道を行くトランプ米大統領は不満に違いない。最近は相手国に高関税を課すなど盛んに貿易摩擦を引き起こしている。この先また何を仕掛けてくるやら

 ▼一方、国内にも不安はある。特に本道では乳製品が中心だが安い輸入品が増えることによる影響は無視できない。その辺りTPPも含め政府には万全の対策が求められる。その上で公正な貿易の実現とデフレ脱却が共に図られるのなら、欧州との連携はまさに世界の希望となろう。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 川崎建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,489)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,317)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,191)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,104)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (860)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。