しっかり結んだはずなのにどうして―。いきなりほどけてしまう靴ひもに、いら立たしい思いをさせられた人は多いに違いない。最近、この靴ひもが急にほどけてしまう謎が解明されたという
▼AFPによると突き止めたのは米カリフォルニア大の3人の研究者たち。トレッドミルで繰り返し人を走らせ、超スローモーション映像の分析を続けたそうだ。まあ、原因が分からなくても支障はないが若干の興味は覚える。仕組みはこういうことらしい。足が地面を叩き付ける衝撃と前後に素早く揺らすことで起こる振動、その2つの力が同時に作用して徐々に靴ひもを緩め、ある点を超えると一気にほどけてしまうのだとか。なるほど何にでも理由がある
▼民進党の蓮舫代表にも、ぜひ教えてあげたいものだ。おそらく今、党組織が急激にほどけていく理由を探しているだろうから、いくらか参考になるのではないか。気付けば長島昭久氏ら重鎮が去り、党内の不協和音は増大。都議選でも離党ドミノが加速している。おとといの国会で福島伸享議員が安倍首相と森友学園は「ずぶずぶの関係だ」と指摘したときには、品の悪い言葉で中身のない質問をする姿勢が支持率に表れている、と首相に皮肉を言われる始末
▼失言連発の大臣らを抱える首相もよく唇が寒くならないものだと感心するが、日本の針路より政権攻撃にしか関心がないかのような近頃の民進党への批判としては一理あろう。先の研究によると絶対にほどけない靴ひもはないそうだ。民進党は一度立ち止まり、走り方、結び方を見直した方がいい。