毎週末のジョギングで、札幌市西区にある石屋製菓の「白い恋人パーク」前を通るのだが、いつもそこだけ異国の雰囲気がして面白い
▼理由は風景でなく言語。地下鉄宮の沢駅と「パーク」をつなぐ道を、ほとんど中国系の人々であろう外国人観光客が大声で話しながら歩いているのである。思えば道庁赤れんが庁舎や狸小路など市内ではそんな場所が随分と増えた。道内の他の観光地も状況は似たようなものだろう。1年間の道内観光総消費額が1兆4298億円に上ると聞けば、あちこちに小さな異国が現れるのもうなずける。道が先週発表した「第6回北海道観光産業経済効果調査」(2014年10月から1年間)で、そんな結果が出たそうだ
▼もっとも、外国人観光客はそのうち3705億円と4分の1程度。ただ04年の第4回調査に外国人観光客はほぼ存在しなかっただけに、この先まだまだ伸びが期待できる大型ルーキーを獲得したようなもの。外国人向けのサービス充実が急務とされるゆえんである。経済波及効果も初めて2兆円を超えたそうだ。同列に比較できるものでないのは分かっているが、トヨタ自動車の17年3月期営業利益が約2兆円。いかに大きな産業なのかが実感できる。訪れる人が本道の魅力を認めてくれた結果だろう
▼同じく道がまとめた16年度「観光客動態・満足度調査」で、外国人観光客の目的の上位は自然観賞や温泉・保養だったそう。良いところに目を付けているようだ。いろいろな言語の小さな異国が、これからも道内各地にどんどんできるのを楽しみに待ちたい。