校庭から出た鉄砲類

2018年08月08日 07時00分

 昭和を代表する俳優石原裕次郎のヒット曲の一つに、同名映画の主題歌として使われた『錆びたナイフ』(萩原四朗作詞、上原賢六作曲)がある。今もカラオケで必ずこの曲を歌う「裕ちゃん」ファンも少なくないのでないか

 ▼こんな歌い出しだった。「砂山の砂を 指で掘ってたら まっかに錆びた ジャックナイフが出て来たよ どこのどいつが埋めたか 胸にじんとくる 小島の秋だ」。少々物騒な話ではある。ところがこちらから出てきたものを聞けば、ジャックナイフ一本くらいかわいいものだ。東京都西東京市の市立田無小校庭で、旧日本軍のものとみられる銃砲や刀剣など合わせて約2900点が掘り出されたのである。市が6日、発表した

 ▼管理棟移設工事のため先月27日に校庭の掘削を始めたところ、業者が地下1―2mの辺りで発見したという。やはりさびてはいたものの、小銃や機関銃といった銃砲類が約1400点、刀剣類が約1200点、銃砲弾が約300個、手投げ弾が8個もあった。田無小は1925(大正14)年に現在地で開校して以来動いていないため、学校敷地内と知った上で埋められたのは確かである。ただ、今のところ誰が、いつ、なぜそうしたのかは不明のまま

 ▼先の歌では「薄情な女を 思い切ろうと ここまで来たか 男泣きした マドロスが 恋のなきがら 埋めたか」と裕次郎が想像を口にするが、田無小の場合はそんな感傷的な理由ではあるまい。国内有数の軍需工場のあった地域である。戦争の記憶だけはさびさせないよう、真相も掘り起こしてほしい。


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