今週月曜、この夏初めて冷やしラーメンがわが家の食卓に上った。キリリと冷えた黄色の麺を、細切りのキュウリや錦糸卵と共に酸味の効いたたれでいただくと、「あー、もうそんな時期か」と夏を実感させられる。冬の鍋物もそうだが、季節を連れてくる食べ物というのはあるものだ
▼ちなみに「冷やしラーメン」と呼ぶのは北海道だけ。本州以南は「冷やし中華」が一般的らしい。具材も地域で違いがあるようだ。冷やし中華は昭和10年代に仙台の中華料理店で考案されたものが発祥という。その後、夏場のラーメン需要落ち込みに悩んでいた業界が普及に努めたのだとか。日本で初めて「冷しラーメンスープ」を発売したベル食品(札幌)の「50年のあゆみ」に教えられた
▼きょうは「小暑」である。本道もしばらく気温の高い日が続く。暑さに負けると食欲は落ちるが食べずにいると体力も落ちる。水気をたっぷり含んだ冷やしラーメンなら無理なく食べられよう。業界の回し者ではないが、お薦めしたい。さて、のんきな話は置いておくとして、夏といえば昨年相次いで本道を襲った台風のことを思い出す。折しも今、九州北部が台風に乱された梅雨前線の影響で豪雨に見舞われている。人ごとでない
▼「地震来て台風も来て一人かな」棚橋ちゑ子。地元の方々は不安を募らせていよう。被害は拡大する一方だ。本道もだが復旧もまた難事である。しかも九州は当分、真夏日が続く。食欲が出なくてもせめて食べやすいものを口にし体力を付けてこの困難を乗り切ってほしい。そう願うばかりである。