地震から1週間

2018年09月13日 07時00分

 山口県で行方不明になっていた2歳の男児を発見した〝スーパーボランティア〟尾畠春夫さんの信念「明けない夜はない」の言葉を励みに夜明けを待っていた人もいたに違いない。胆振東部地震のことである

 ▼多くの人が無防備に眠っていた未明に発生したため、停電で明かりを失った道民は暗闇の中で恐怖に震えているしかなかった。きょうで1週間。いろいろな出来事が次々と起こったせいか時の流れが妙に速い。同じような感覚を持つ人も少なくないのでないか。余震も減ってきたため少し気が緩み、かえって疲れが出てきたという人もいよう。災害時にはそういったことが往々にしてあるそうだ。どうかあまり無理はなさらぬよう

 ▼とはいえ公共交通は点検を終え、安全が確認できた路線から順次運行を再開。地域や店舗によってかなりばらつきはあるがスーパーやコンビニにも商品が戻り始めた。きのう立ち寄ったスーパーには「米入荷しました」の張り紙があり、何だかほっとした気持ちにさせられた。停電も節電が前提だが、休止していた火力や水力発電の再稼働でひとまず解消している。そんな中、10日の道議会で北電の姿勢を問う意見が出たのには違和感もあった。政策に踊らされる電力システムである。安定のためには道議会も率先して力を発揮してほしいものだ

 ▼発災以降、インフラを担う機関、団体、企業は昼夜分かたず走り回り、今後長く続く復興の基盤を整えてくれている。何もせずにいれば明けない夜を、身を粉にして明けさせようとする人々のいることを忘れないようにしたい。


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