フランス王とイギリス王が王位継承や領地を巡って争った中世後期の百年戦争と聞いてまず思い浮かぶのは、オルレアンの乙女ジャンヌ・ダルクだろう
▼フランスで農夫の娘として生まれたジャンヌはある日、当時劣勢だったフランスが最後には勝利するとの神の啓示を受け、王シャルル7世を励ます。志願して軍の指揮官となったジャンヌは最前線に立って兵士を勇気付け、ついにはイギリス軍を撃退するのである。米国で野党に甘んじている民主党には今、人気女性歌手テイラー・スウィフトさんがそのジャンヌ・ダルクに見えているかもしれない。これまで公の場で政治的発言を一切控えていたテイラーさんが7日、突如インスタグラムに11月の中間選挙では2人の民主党候補に投票すると書き込んだのである
▼しかも自身の投票地テネシー州の共和党候補を強い調子で批判。フォロワーに選挙登録を勧め、投票に行くよう呼び掛けた。反響は大きく、若者を中心に登録者数が一気に25万人以上増えたという。民主党はがぜん勢いづいた。トランプ大統領は余裕を見せながらも実は危機感を強めているのでないか。ところでわが国でも、来夏の参院選に向け立憲民主党が先日擁立を決めたある女性候補にちょっとした注目が集まっている
▼枝野幸男代表は「党の考えを体現する人」と期待。ジャンヌ・ダルクのごとき活躍を願うようだが実はこの候補、放射能に関して恒常的に流言を飛ばすとして立民を応援する識者からも警戒される人物である。テイラーさんのような救党のヒロインになれるのかどうか。