初雪

2018年10月23日 07時00分

 子どものころは初雪が降ると訳もなくうきうきしたものだったが、そんな生気に満ちた往時の心を忘れて久しい。年々寒さが身にこたえるようになってきたとか、雪かきでぎっくり腰が再発しないかとか、冬の知らせを受けて思うのは今やわびしいことばかりである

 ▼「雪はげし崩壊しつつあるおれがある」伊藤シンノスケ。崩壊は言い過ぎとはいえ、降る雪が根雪となって諦めがつくまで心はどうにも落ち着かない。その雪に関して、ことしはおまけをもらったようで少し得した気分でいる。去年の札幌の初雪はきょうだったのだ。季節外れの台風21号が寒気を運んできた。札幌管区気象台が観測した去年の本道の初雪初日は旭川と釧路の10月17日。冬の訪れが総じて早かったのである

 ▼そこへいくとことしは、まだどの地点でも初雪は観測されていない。先の週末もこの時期とは思えない暖かさ。「北風と太陽」ではないが、いつもの散歩道でも上着を脱いで歩いている人を多く見掛けた。暑くなったのだろう。暖かさはしばらく続くらしい。札幌管区気象台が先週発表した20日からの1カ月予報によると、前半はかなり気温が高い見込みという。11月に入ると冬型の気圧配置が現れ平年並みの寒さに戻るそうだ。とするとそのあたりで本道各地から初雪の便りも届いてくるか

 ▼きょうは暦の上では霜降。そこまで冷え込む心配はなさそうだが、冬は確実に近づいている。「きびきびと小春日和を使いきる」和多田林雨。せっかくおまけにもらった一足早い小春日和。長い冬に備え生気を蓄えるのに使いたい。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 川崎建設
  • 日本仮設
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,465)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,287)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,181)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,078)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (806)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。