建築構造設計家の山脇克彦氏が北の聲アートで奨励賞に

2018年11月01日 12時00分

 第7回北の聲(こえ)アート賞の奨励賞(エスポワール賞)に選ばれた建築構造設計家の山脇克彦さん。建築家と共同で道内各地の公共・民間建築物の設計に取り組んでいるほか、人材育成にも力を入れている。「受賞は恐縮のひと言に尽きる。これからも構造設計が社会に周知されるような活動をしたい」と話している。

 北の聲アート賞は2012年度に創設。革新的で文化創造や優れた感性に満ちあふれた現代的な作品づくりをしている道内の個人や団体の支援が目的だ。建築関係だけでなく、音楽や彫刻、版画、舞踏、美術などさまざまな分野から各賞を選んでいる。

山脇克彦さん

 山脇さんは、神戸大大学院環境計画学科修士課程修了後、13年まで日建設計に所属。超高層ビルから文化財まで、国内外の多様な構造種別の設計を経験した。

 05年に日本建築構造技術者協会新人賞、08年に同協会作品賞を受賞したのをきっかけに国内を代表する構造家との交流が広がり、構造デザインも強く意識するようになった。09年からは北海道日建設計勤務となり、小規模や木造建築の設計を通じて、地域での設計にも関心を持った。

 山脇克彦建築構造設計(札幌)の代表として独立した後は建築家との設計にも取り組んでいるが、「建築家の言うがままではなく、構造デザインの空間を表現するために提案するのが好き」という。

 これまでに当麻町庁舎や岩見沢市内のNorth Farm Stock店舗増築など、数々の風土に根差した木造空間の設計を手掛けた。中でも印象的なのが、昨年清水町役場前に完成したバスシェルター。「地元の高校生による設計からヒントを得て、建てるときも彼らに参加してもらった」という共同作品だ。

地元の高校生も参加して完成した清水町のバスシェルター(山脇さん提供)

 北海道に来てから特に力を入れている木造建築に対する思い入れは強く、「木造は問題や課題もあるが、可能性がある。自然の建材を生かせる構造を考えたい」と話す。当麻町庁舎は100%地元木材を使用。このような〝ローカルテクニック〟を大切にした空間づくりに努めている。

 人材育成にも力を入れる。現在は北大の非常勤講師を務め、事務所をオープンデスクとして開放。単なる座学ではなく、実務を通して学生が構造設計に触れられる場を設けている。

 賞の選考委員を務めたシーアイエス計画研究所の浜田暁生会長は「建築家ではないところに光を当てたいと思った。山脇さんの活動は、道内の建築作品のレベルが上がることにつながる」と高く評価。今後の活躍にも期待を寄せている。

 山脇さんは「構造設計や構造デザインが社会に周知されたらいい。学生にもこの職業の喜びを感じてもらいたい」と話している。


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