里塚地区の液状化防止策 薬液注入を有力視 札幌市

2018年11月14日 16時30分

 札幌市は、北海道胆振東部地震で液状化による地盤沈下の被害があった清田区里塚地区の再発防止策について、薬液注入による地盤改良工法を有力案として、近く住民説明で提案する方針を固めた。液状化しやすい水分を含んだ土層を、薬液注入でゼリー状にすることで、液状化や地中土砂の流動を防止する効果が得られる。

 里塚1条1丁目、同2丁目の住宅地では、広い範囲で、地盤沈下や陥没被害が発生。強い揺れで液状化した地盤が緩い傾斜の地形に沿って流動し、土砂が地表に流出し被害が拡大した。

 復旧に当たっては被害の大きい1条1丁目の里塚中央ぽぷら公園や里塚21号、20号などの市道約550m周辺に関し、市がインフラと宅地を一体で復旧する方針。

 課題だった再発防止対策は、住民負担を軽減するため国の補助が得られる実績と効果のある工法を模索していた。

 周辺は液状化の要因になる地下水位が高く、当初は熊本市が採用する地下水位低下工法が有力視されたが、調査により地下水の浸透率が低い土質で、大きな効果が見込めないことが分かってきた。

 代わって有力案に浮上した地盤改良工法は、土層をゼリー状にすることで地下水が高くても液状化を防げるため、沈下と土砂流動の双方の抑制効果が見込める。水の流動に影響する可能性があるため水処理対策と組み合わせた対策を検討する。

 千葉県浦安市が使う格子状地中壁工法は簡易評価の結果適さない土質と判明。杭や土留めによる滑動防止は、事例がなく採用の判断には時間がかかるとみている。


関連キーワード: さっぽろ圏 胆振東部地震

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