日本キャタピラーはこのほど、ミニホイールローダ「901C2」の特別展示イベントをイオンモール札幌発寒店で実施した。除雪作業に重宝する機械で、営業所に足を運ぶ機会の少ない一般消費者や個人事業主に見てもらおうと企画した初の試み。土日の2日間で開かれたが、店内で異彩を放ちながらも買い物客の視線をくぎ付けにしていた。
海外で見掛けるスーパーでの自動車展示を参考に、ショッピングモールでの展示を決めた。営業所に入るのはちゅうちょするが、除雪機には関心のあるといった個人事業主や町内会関係者などに対し、機械を訴求するのが狙い。8、9日の2日間、モール内のはまなす広場で行った。
しかし、店舗への搬入は一筋縄ではいかなかった。901C2の全高は約2・5m。対して店舗の出入り口高さは2・38m。そのままではキャブが干渉するため、タイヤ4本を外した後、車体を搬送用ローラーに載せて搬入することにした。
作業は7日、大半の店舗が営業終了した午後9時に開始。キャタピラーのスタッフ11人が待機し、E2出入り口に機械が到着すると、ジャッキアップしタイヤを前後それぞれ順に外していった。
店舗に傷を付けないよう、移動経路にゴムマットを敷いたり、外したタイヤを奇麗に磨くなど細心の注意を払った。特にジャッキを下ろしながら、機体をローラーに据え置く作業は、精密機械の引っ越しさながら慎重に作業した。
機体重量は約2・5㌧。ローラーでの移動とはいえ、大人11人でも簡単には動かず、この日の作業のヤマ場となった。目いっぱいの前傾姿勢で押し込み、何とかモール内に入れることできた。
モール内で再びタイヤを取り付け、元の姿に戻った後、展示スペースまで手押しで移動し設置完了。手芸用の綿と発泡スチロールで雪に見立てるなど、細部のディスプレーにもこだわり、午後10時半におおむねの作業を終えた。
2日間のイベントを通して、来場客からは「操作に資格は必要?」「いくら?」といった基本的な質問が多かったという。中には、地区の高齢化で除雪を請け負うことを考えている人や、現在使っている古くなったミニホイールローダからの乗り換えを考えている人もおり、効果は上々だったもよう。
道央営業1課の鈴田択水課長は「手応えはまずまず。普段ショールームに来られない人でも気軽に見てもらえるよう、今後もPR展開を考えていきたい」と話している。