Michi(みち)

2019年01月07日 07時00分

 この正月に書店へ行き、入り口付近に置いてあった一冊の絵本に一目ぼれし購入した。タイトルを『Michi(みち)』(福音館書店)という。京都在住の画家、junaida(じゅないだ)さんの作品である

 ▼男の子と女の子がそれぞれ自分の家から一本の道を歩き始め、風変わりな街を幾つも通り過ぎていく。ただそれだけの文字もない絵本だが、見開き2ページで色とりどりに描かれる街がとにかく美しい。蒸気機関車をかたどっていたり、大木をそのまま街にしていたり、宇宙に浮いていたり。どの街も実に独特なのだが共通する点が一つある。それは白い道が縦横に張り巡らされていること。人々はその道を歩き、世間話に花を咲かせ、憩う。男の子と女の子も歩き回ることで街の姿を知るのである

 ▼新しい年というのも似たようなものでないか。まずは目の前の一本の道を歩き始める。次第に枝分かれしていく道を慎重に選びながら進み、さまざまな経験をしてやっとその年の全体像が見えてくる。ことしは決まっているだけでも統一地方選、天皇陛下譲位、参院選、消費増税があり、どう考えても波乱含み。その上、国際環境も安定しているとは言い難い。3日には熊本で大きな地震が発生し、災害の不安も呼び覚まされた。道は最初から平たんでなさそうだ

 ▼「初暦未知なる月日歩み初む」熊崎わか子。「未知」とはつまり、読めぬ未来に続く「道」だろう。ことしはまだ始まったばかり。まずは歩き出してみねば。案外とその角を曲がった先に、きれいな風景が広がっているかもしれない。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • web企画
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,381)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,254)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,225)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,115)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (832)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。