三浦さんとアコン・カグア

2019年01月22日 07時00分

 古いものと新しいもの。一見相反するものの不思議な関係に気付いた詩人のまど・みちおさんは、それを発見したときの驚きを一編の作品にまとめた。題名は「どうして いつも」。使われるのは簡素な言葉ばかりだが、まどさんの思いが真っすぐに伝わってくる

 ▼「太陽/月/星 そして/雨/風/虹/やまびこ ああ/一ばん/ふるいものばかりが/どうして/いつも/こんなに/一ばん/あたらしいのだろう」。ずっと昔からあるのに、今も変わらず新しい顔を見せてくれているというのである。プロスキーヤー三浦雄一郎氏が南米最高峰アコンカグア登頂に挑んでいたニュースを追いながら、その詩を思い出していた

 ▼世界有数の長寿国日本の男性平均寿命は81歳(2017年)だから、現在86歳の三浦さんは高齢者の中でもより「古い」年齢層に属する。ところがやっていることは、いっぱしの冒険家でも尻込みするような過酷な挑戦ばかり。われわれの目を覚まさせるような新しい姿を見せ続けている。世界最高齢の80歳でエベレスト登頂に成功した三浦さんが今回選んだのがアコンカグア。頂上からスキーで滑降する計画まであったという。標高6000m付近で天候回復を待っていたが、きのうドクターストップで登頂を断念

 ▼とはいえ本人は至って元気というからやはりただ者でない。今遠征のフェイスブックに三浦さんは記していた。「出来ない理由より出来る理由を考えた方が人は元気に輝く」。自ら太陽や星のごとく輝きながら、誰もがそうなれるのだと身をもって教えている人だろう。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • オノデラ
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,495)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,409)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,261)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,127)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (880)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。