月の石の産地は

2019年02月07日 09時00分

 観光旅行に出掛け、その地の土産物店で「名産」「話題の人気商品」などと書かれたお菓子を喜んで買い求める。「決めました皆が提げてる名物に」新屋洋子(観光立国川柳)といったところ

 ▼さて、帰ってふと土産物に付いていた商品表示を眺めると、製造者欄には全く別の地域の食品会社の名が…。しかも原料も地元の物でない。そこでしか買えないため偽物ではないのだが、少しがっかりな気持ちにさせられる。こちらも似たような話である。ただしスケールの大きさは文字通り宇宙レベル。1971年にアポロ14号が月から持ち帰った石は地球の石だった可能性が高いというのだ。米航空宇宙局(NASA)の研究者らが学術誌「アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ」に発表した

 ▼それを伝える「ナショナル・ジオグラフィック」Web版によると、40億年以上前に隕石が地球に激突し、その衝撃で石が月まで弾き飛ばされたのだとか。話が大きすぎてがっかりどころかびっくりである。調べた石は重さ約9㌔のナンバー14321。研究者は石を構成する鉱物ジルコンに目を付けた。性質分析の結果、月では容易に形成されないものの、地球では普通に存在することが判明したという。表示をよく見ると、「製造者 地球」だったわけである

 ▼人類が英知を結集して月に到達し、困難を乗り越えて持ち帰った土産がもともと地球にあった石だったとは。天体物理学者にとっては地球の起源に迫る大発見かもしれないが、宇宙飛行士が存命だったら少し複雑な気持ちになるのでないか。


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