新人歓迎の場で

2019年04月16日 09時00分

 職場に新たな仲間を迎えて2週間余り。新人たちも見知らぬ環境にいくらかは慣れて、「お客さま」から「同僚」に変わりつつあるころでないか。歓迎会も盛んに行われる時期だろう

 ▼一つのテーブルを囲んで共に酒食を楽しみ、あれこれと語り合うのは親睦を深めるのにちょうどいい。「人を知るには酒が近道」とはよくいったものである。和やかな雰囲気にアルコールの酔いも手伝い、皆の気持ちがぐっと近づく。ただ、こんな上司がいると飲み会もぶち壊しだ。歓迎会ではないようだがJAあいちの副支店長が飲食店で部下に酒を勧めたものの断られ、腹立ちのあまり一升瓶で頭を殴ったというのである。昔からこの手の人はいた。「飲めったら飲め」と問答無用で酒を強要し、拒否すると「俺の酒が飲めないのか」と烈火のごとく怒り出す

 ▼こうした場でもう一つ閉口するのは、上の者の自慢話や独り善がりの演説を延々と聞かされることだろう。話している方は真剣だから、むげにするわけにもいかない。女性学者上野千鶴子氏が東大入学式で述べた祝辞に対する評価が、賛否大いに割れているそうだ。女性差別に踏み込んだ発言に価値ありとする人がいる一方、晴れの日にふさわしいか疑問とする人もいる。こちらも場が場だけに新入生も父母も黙って聴くしかない。自信と経験に基づいた言説はときに高飛車に響く

 ▼経営者、上司、先輩。これから新人歓迎の席で話をする人も多いはず。よもや一升瓶で殴る人はいないと思うが自慢話や独り善がりの演説になっていないか、よくよく気を付けたい。


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