ズコーシャ(本社・帯広)は、ドローンに高性能レーザースキャナーを搭載したUAVレーザーシステム「エアライダー」を導入した。1回のフライトで約5haを計測。現地測量では立ち入りが難しい場所でも高精度な計測が可能だ。測量業務の省力化が図られるほか、災害時の計測に活用できる。
ドローンにRIEGL社製のレーザースキャナーを搭載したシステム。導入したのは道内3社目で、道東では初めて。
縦横2・25m四方で収まるサイズで、機体重量は約23㌔。レーザースキャナーがスキャンできる範囲は330度で、1秒間に50万点を測定する。スキャナーの両側にはカメラが付いているため、写真による色の情報を組み合わせることができる。
山間部などでドローンを使って写真測量をする場合、植生する樹木に遮られてその下の地盤を計測するのは難しい。このシステムでは、高密度で照射したレーダーが樹木の隙間を抜けて地盤のデータを捉える。3次元データを直接取得するため、写真測量より解析時間を短縮することができる。
藤山真一空間情報課長は「一般的な現地測量で計測に10日程度かかるような場所でも1、2日で終わらせることができる」と話す。10分間という飛行時間の関係上、計測場所近くでの離発着が条件だが、人が立ち入れない場所でも使用可能だ。
最高測定飛行高度は350m。航空機によるレーザー測量では高度が低くて計測できない250分の1スケールなど小縮尺の位置情報が取得できるため、航空測量の補完としても活用できる。
16日に帯広市内で開いた説明会の参加者からは「災害現場など人が行けそうにない所で使えるのは有効」との声があった。