プラごみはどこに

2019年05月14日 09時00分

 後のことがどうなっても自分の知ったことではない。それを表すことわざ「後は野となれ山となれ」は江戸時代の浄瑠璃作者近松門左衛門の『冥途の飛脚』にある名文句が元になってできたという

 ▼飛脚問屋の忠兵衛が、ほれた梅川と添い遂げたい一心で客の金に手を付けてしまった。捕まれば命はない。逃げると決めた場面で語りが入る。「栄耀栄華も人の金、果ては砂場を打ち過ぎて、あとは野となれ大和路や」。これまで海外の国々に依存してきたプラスチックごみの処理が一大転換を迫られる事態になりそうだ。企業や家庭から排出される廃プラスチックの輸出について、政府が規制強化に乗り出したのである。日本から持ち出してしまえば「後は野となれ山となれ」はもう通用しない

 ▼有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約に10日、廃プラを加える決定がなされたことを受けての措置。日本とノルウェーが共同提案していたという。法改正や基準整備を進め、来年夏頃をめどに輸出停止を実現する。輸入する国があるから輸出しているだけ、というのはグローバル資本主義の真実だろう。ただ、外貨欲しさに処理能力を無視してごみ受け入れを進める国の足下を見たような商行為だ。昨今話題の「ごみ屋敷」を海外で増やし、日本の知ったことではないと言っているに等しい


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