工法普及の課題探る 日本CFS建築協会が専門家講演会

2019年05月20日 15時00分

CFS建築工法やZEHについて知識を深めた

 国内でのCFS建築工法の普及を目指す日本CFS建築協会は16日、都内の早稲田奉仕園で専門家講演会を開いた。日本での普及率が低いCFS建築工法の知見を共有し、高口洋人早稲田大教授を招いて住宅エネルギーや環境性能について解説。環境負荷の低い住宅を浸透させるための解決策を探った。

 CFS建築工法は、冷間成形薄板形鋼(Cold―Formed Steel)を構造部材として使用する工法。短工期、低コストなどの利点を持ち、集合住宅や小規模店舗に用いられている。

 CFSパネルをドリルねじで組み合わせて構造部材に利用し、溶接不要で現場組み立てができるため施工・解体が容易だ。高耐食性の鋼材で耐久性が高く、シロアリ被害や腐朽、カビの心配が無い。柱の代わりに壁で支えるモノコック構造で高い耐震性を発揮する。

 従来の鉄骨造に比べて鋼材使用量が大きく削減できることから、環境負荷が低く、1990年代から北米やオセアニアを中心に広まった。近年では中国、インド、中東、南米、アフリカなどで建設が急増している。

 一方、国内での普及率は0.2%ほどにとどまる。2011年に薄板軽量形鋼造に関する告示が制定されて一般工法となり、12年には適用範囲が4階建て建物まで拡張される告示が改定されたことから、今後の普及拡大に期待がかかっている。

 脇田健裕同協会代表理事は「木造以上の強度が可能で、シロアリ被害などの強度を低める要因は少ない。骨組みにCFSを、内装に木目を使うことで性能と意匠性の両立を図る考え方も増えている」と話した。

 環境性能の観点から高口教授が住宅業界の現状を解説。20年に予定される民法改正では、住宅の品質や契約内容について購入者への保証が強固になることから、「今後は建築物も家電や車など他産業と同種の精緻化が進む」と指摘。一方で、小規模工務店のうち50%が1次エネルギー消費量や外皮計算の計算ができないといった現状から、省エネ基準への習熟度や関心の低さへ警鐘を鳴らした。

 17年度に戸建て住宅の約10%に達し、急速に普及している国内住宅のZEH(ネットゼロエネルギーハウス)に関しては、省エネ以外の魅力が必要と強調。

 「ZEHは家計における光熱費の割合に変動は少ないので力不足。エネルギーが減るというだけでなく、快適性、健康や災害対策といった点を合わせて、住む楽しみをどう与えられるかを提案してほしい」と促した。


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