稚内大谷高は22日、選択授業である「土木施工基礎技術」の一環として、稚内市内の土木工事現場で初の見学会を実施した。2級土木施工管理技士の学科試験合格を目指す生徒たちが実際に施工している箇所を見て回り、仕事内容や仕事の魅力など多くのことを学んだ。
宗谷管内は工業科などの専門学科を置く高校や大学がなく、管内企業では普通科の生徒や他産業からの転職者を技術者として育成している。同校では地域産業の担い手育成を目的に、2019年度から3年生の選択授業として土木施工基礎技術を新設。8人の生徒と一般受講生1人が2級土木施工管理技士の学科試験に挑むため、勉強に励んでいる。
この日は、稚内開建発注の勇知地区勇知川排水路下勇知工区(共成建設)の現場を訪問。稚内開建稚内農業事務所の成田朋史技官が勇知地区の事業概要を示した後、共成建設の堀口良幸現場代理人が工事内容を紹介した。
また、同校の卒業生で現在、共成建設で働く若手社員の今村夏偉人さんも生徒たちに経験談を披露。今村さんは「分からないことも多いが先輩たちに教えてもらいながら仕事をしている」と現状を説明したほか、建設業の魅力について「できなかったことができるようになったり、構造物が完成に近づいていくとワクワクするやりがいのある仕事」と語った。
その後、重機操作や測量、ドローンの操縦などを実際に体験するなど、生徒たちは楽しみながら建設業の仕事を学んだ。
最後に現場事務所に移動し、選択授業の講師を務める大須賀悟共成建設常務が事務所内の設備や仕事内容などを説明。参加した生徒は「現場を訪れるのは初めて。実際に見ることでイメージがつかめた」と話していた。