「資格を取得したといっても、電気工事業のほんの一部しか知らない。もっと勉強し、電気工事のことなら何でも答えられるようになりたい」
玉成電設興業(本社・苫小牧)の社員、工藤尚美さんが第1種電気工事士の免許を取得した。同社で初となる女性の1級保有者で、尾崎賢一社長は今後の活躍を期待している。
苫小牧市生まれの49歳。職業訓練校に通い、23歳で第2種電気工事士の資格を取り就職。間もなく結婚、出産し、その後は専業主婦を経て事務作業や介護業、新聞販売などを経験した。
20年ほど電気工事業から離れていたが、2016年に尾崎社長と知り合い同社に就職。入社当初から「最前線で働くなら第1種を」と意欲があった。資格取得の勉強を始めた頃は、模擬テストで合格点の半分も取れずブランクを強く感じたが、挫折することなく取り組み続けた。努力が実り、ことし2月に取得した。
現在は新電力への移行に伴う、メーター交換が主な仕事。屋外工事となるため、肌の手入れには気を付けているという。
「メーターの交換以外にも高所作業車やクレーン車の免許を取り、高所作業もこなせるようになりたい。電気工事業に関連する資格を一つずつ確実に取得していくのが目標」と飽くなき探究心を見せる。
今冬には施工管理技士2級の試験が控えているが、自分は短期集中型だと分析する工藤さんは「もう少ししたら勉強を始める」とのこと。
「AIが発達してきたが、現場作業にはまだまだ人の手が必要。若い人材を確保、教育するため、勉強や現場で得た知識を活用していきたい」と電気工事業の将来を見つめている。(苫小牧)